日光街道てくてく旅 ⑥ 幸手~栗橋

mitake Posted in 日光街道を行く
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           幸手~栗橋

 

昨年の震災で中断した日光街道てくてく旅、緊急の用件で幸手在住の友人を訪ねなけ

ればならず、一年ぶりにてくてく旅を再開することに。

緊急の用件というのは、友人が飼っているワンちゃんが余命いくばくもない状況になっ

ていて、数年前にそのワンちゃんと散歩した私としては、最後に一目会っておきたかったんです。それ

と、幸手の権現堂堤の桜と菜の花の素晴らしい競演を見ておきたかった。

 

実は友人のご主人は犬猫が苦手だそうで、十五年一緒に暮らしているワンちゃんへの愛情がほとん

どなかったとか。友人に対しワンちゃんのことで辛辣な言葉を度々かけていたそうです。辛かったでし

ょうね。今少し理解のあるご家族がいる家で暮らしていれば、ワンちゃんももう少し生きられたかもしれ

ませんねえ??

 

ワンちゃんにも対面、友人が権現堂河岸まで送ってくれてさあ出発。平日の午前というのに、堤は桜

見物の人たちで賑わいを見せています。菜の花も黄の群落をそこかしこに作り、桜との競演は噂に違

わず見ごたえありです。

 

ここからは堤に沿って流れる中川畔を北上していきます。行幸橋を渡ると、先ほどまで

の賑やかさが嘘のように、田畑が広がる地帯をしばらく進みます。間もなくすると「外国府間 右つくば

道 左日光道」と刻まれた石碑が正面に。「外国府間」と書いて「そとごうま」と呼びますが、この地域の

地名なんだそうです。

「左日光道」の指示に従い、田畑の向こうを東武鉄道が走る風景の中をしばらく行くと、

正面に「雷電神社」の石の鳥居が見えてきました。額には「雷電・湯殿権現」と刻まれ、

境内には町会の集会所が。雷電の名が示す通り、雷に打たれた樹木が横倒しになったままになって

いました。

 

4号線に戻りかけたところで「会津稲荷」の赤い鳥居が。説明書きには、会津候の使者

が江戸へ向かう途中、頼まれた文をなくすという失態をしてしまい、切腹してお詫びをと思ったところ

へ、狐様が表れ命を救ったそうです。

 

水仙の群落を写真に収め、国道から権現堂川河岸へと向かいます。この川を北上すれ

ば栗橋になります。久しぶりの長距離歩行で、いささか疲れてきましたので権現堂公園でしばし休憩と

しましょう。

 

栗橋まではあとわずか、川べりを進むことにして再び権現堂川畔へでます。対岸にはキ

ューピーマヨネーズの工場が見えてきましたがすごい化学プラントの様相に、マヨネーズ作るのにこん

なに化学製品が使われてるのかしらと、ちょっと驚きでした。

新幹線の鉄橋が見えてきて、栗橋はもうそこです。

 

2012/04/16  記