日光街道てくてく旅 ⑦後編

茨城県古河市~野木町

トラックの陸送便が引きも切らずに走る利根川大橋を渡りきると、茨城県古河市はずれの中田宿。

公民館らしき建物の前で初老のご婦人がバスを待つ風情でしたので、近くにあったバス停の時刻表を

見ると、2~3時間に一本の運行で、折よくあと5分ほどで「ぐるりん」というそのバスが来ます。

私たちはバスに乗るわけではないので、歩きながら振り返り振り返りバスの到着を待ちましたが、残念

ながらバスは来ないまま。私たちは道の外れまで来てしまいました。先ほどのご婦人も消えてしま

い、、、。

道は緩やかに左折し、ちょうど東北本線宇都宮繊のグリーンにオレンジラインの電車が通過していき

ます。

踏切を渡りそこからは田畑が広がる長い長い一本道を古河駅目指して進んでいきます。

広々した歩道には青色の自転車レーンも設けられ、東京ではとてもこんなゆとりのあることはできませ

ん。

雨は時折強めに降ったりして、傘が手放せません。傘をずっとさしているのってなかなか大変で、後日

談になりますが、二、三日腕が張ってしまいした。

「全国大会出場」の横断幕が掲げられた古河二高前を通過し、国道354号線と交差する原町交差点

にでれば間もなく古河駅です。

古河駅に行く前に、日本三大観音の一つと数えられる長谷観音に立ち寄りお参りします。お世話され

るご婦人がこちらからどうぞと差し招く地点から、ご本堂奥に微笑みをたたえた木造の観音様が見え、

合掌!

ご朱印をいただき黒飴を買い求め、歴史博物館にも立ち寄るべく回り道しましたが、残念!月曜日と

あって公共施設はアウト!モダンな博物館の反対側には、黒ベイを回した粋な建物の古河藩家老鷹

見泉石の屋敷が構えていましたが、こちらも月曜日でお休み、う~ん残念!仕方ない駅で昼食としま

しょう。

昼食後、雨は小やみになり、1時を過ぎたばかりで、帰路2時間かかるとしても帰宅するには少々時間

があり、次の野木まで頑張ることに。駅頭には「遭はずして 行かば惜しけん 磨くら我の 許我れ 漕

ぐ船に 肝も淡むかも」と石碑に刻まれた万葉歌碑がありました。この時点で、長い長い野木への道の

りが待っていようとは想像だにしなかった。甘かった!

常夜灯が配置され町はずれまで続く旧道が途切れると、いよいよどこまでもどこまでも続く栃木県野木

までの田園の道のりです。菜の花の群落、芝桜の草地、ネギ畑に人参畑などが広大に広がる野木へ

の道のりはやや単調で、ここまで7キロ近く歩いた疲れもありかなりしんどかった。

そんな道程の中ほどに、「旧下野煉瓦窯入口」と書かれた看板発見。高い煙突が望まれ、興味をそそ

られ歩き出してしまったからさあ大変!この道のりが往復2キロ近くあり、さらにたどり着いたはいい

が、見学できず、さらに隣接するホースクラブにも入れず、、、。そうそう乗馬訓練中の馬には遭いまし

たよ。茶系で.足長の馬のパッカパッカという足音が耳に残っています、、、。この煉瓦窯で東京駅の煉

瓦を焼いたそうで、なんとこの窯、国の重要無形文化財だそうです。

重~い足取りでようやくたどり着いた野木駅からは、湘南ライン直通電車が通っていて、雨の中傘をさ

いて歩き続けた疲れから爆睡、気が付くと見慣れた街並みが目に飛び込みホッとしました。

2012/04/23 実行