「ドライブ・マイ・カー」鑑賞

一言通信

2月17日(木)

ベネティア映画祭など主要映画祭で脚本賞などを総なめにしている「ドライブ・マイ・カー」を鑑賞してきました。原作はあの村上春樹氏、主演は西島秀俊さん。

俳優で舞台演出家でもある主人公が、女優で脚本家の妻を亡くし、生前の妻の不貞が明るみとなるなか、広島での舞台公演の演出を手がけることになった主人公の前に、不貞の相手がオーディションを受けるために現れたことから、主人公の葛藤が始まる。

物語は思わぬ方向に展開し、この男が暴力沙汰から意図せぬ殺人事件を起こし、役者が欠けたことから、舞台を中止するか主人公が演じるかの選択を迫られる。事情があってマイカーを女性ドライバーが運転していて、今後のことを考えたいと、広島から彼女の故郷北海道へと車を走らせる。

無駄口をきかず笑顔も少ない彼女だったが、車中での長い時間を共にするうち、訥々と身の上を語り出した彼女に共感し徐々に考えが纏まっていく。

ラストは多言語と手話も入る舞台で熱演する彼と、韓国に渡り新しい生活を始める彼女が、彼から譲り受けた車を走らせる。

妻を亡くした男の喪失感と、親に捨てられた女の深い深い悲しみが交錯、様々な葛藤を抱えながらそれでも人は生きていく。原作と合わせて私はそんな思いを抱きました。

広島から北海道への長い旅路で、映し出される映像の美しさは圧巻だ!

ドライブ・マイ・カーの鑑賞券。大人のための映画です。

余談ですが、女性ドライバー役の三浦透子さん、NHKの朝ドラに主人公の同級生役で出てますね。すっかり違う雰囲気で、だからこそ役者なんですが(笑)