日光街道てくてく旅 ②

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     千住大橋~草加

 

京成千住大橋駅6時45分着。ヤッチャバこと足立市場の看板まで行くと、芭蕉翁筆立ての碑が。気分はもう「奥の細道」!

 

ところで何で「ヤッチャバ」というのか、ヤッチャヤッチャという元気なセリの声からきているそうで、それ

にしては朝まだ早いとは言うものの、ヤッチャバは静まり返っています。

それでも往時の繁栄を偲ばせる各家の看板、青物問屋の板橋屋、千住ねぎ、そばや、蒟蒻屋等々、

街道に沿って商家が軒を連ねています。中には「投師」なる看板が?

 

解説によれば、千住のヤッチャバだけにあった商形態で、店を持たない商人が仲買人の店先を借りて

セリに参加、競り落とした商品を、いち早く東京に持って行って売りさばくのだとか。午前三時から市場

が開いていたと言いますから、往時は相当の賑わいだったんでしょうね。「月日は百代の過客にし、、」

芭蕉翁の俳句も飾られて、切っても切れないヤッチャバと芭蕉翁との繋がりを感じます。

千住仲町の交差点を渡ると高札場と一里塚があり、コンサートホールや映画館の入った高層複合ビ

ルも見受けられます。

「おかげさまで60年」のテナントはためく宿場町通り商店街、7時半に着いた商店街、当然まだお店は

開いてなくて、でもそのおかげで、各店舗のシャッターに描かれた奥の細道で辿る宿場の様子を見る

ことができ、一見の価値あるアートでしたからラッキーでした。

交差点からは北千住駅が望見され、20年ほど前に訪れた北千住駅とはがらりと趣が変わっていて、

月日の流れを感じます。正に、月日は百代の過客、、です。

高札場を越えて、東京でただ一軒という泥絵具専門店の吉田屋さん、向かいは伝馬屋敷の横山家

格子戸平屋作りが時代を偲ばせます。

間もなく荒川に差しかかろうという所で、接骨院として名高い名倉医院が黒門構えで、1760年代から

の歴史を垣間見せてくれます。

「北へ 旧日光街道」「東へ 旧水戸佐倉道」と書かれた道標に導かれ荒川土手を登ります。

全長446Mの千住新橋を進むと、「日本橋から9Kの標識。直線で9Kということでしょうね。

 

今回のてくてく旅は、ゴールデンウイーク真っ盛りの3日で、頭上を走る外環道には久喜まで80分、羽

生まで120分という渋滞情報が掲示され、こちらはてくてくなので渋滞とは無縁と、ちょっとばかり胸を

張ったりして、、。

朝食は土手に座っておにぎりを頬張ります。丈高く伸びたよしの向こうには、春霞を引いて立つスカ

ツリーが河川敷はワンちゃんたちの散歩タイムで、犬連れの人のなんと多いことか。グラウンドで

は試合があるのか、野球少年たちが打撃練習の真っ最中です。

 

善立寺を曲がったところから、日光街道は一気に細い道になり、東武伊勢崎線梅島駅の高架を潜る

と、何とこんなところで環七に。

1時間歩いたら休憩の当初方針通り、島根鷲神社にお参りしたところで休憩タイムミニ出雲大社か

思われる社の鷲神社、なかなか豪壮なお社です。

竹ノ塚3丁目の交差点を越えると、淵江小学校、消防署、足立清掃工場を経て、埼玉県との県境を流

る、ちょっと汚れ気味の毛長川が見えてきました。道路標識には草加の文字が見え、間もなく今回

の終点、草加です。

 

さて草加といえば、そうです、全国的にも名高い草加せんべい、ですね。浅間神社にお参りし、市

役所へ向かって歩を進めたところで、発見しましたよ。老舗の趣の煎餅屋さん「五楽堂」

 

そもそも何故草加が煎餅で名高くなったかといえば、日光街道草加松原で、茶店を出して団子などを

提供していたおせんお婆さん、団子が傷むのを気にかけていたところ、お客さんから団子を薄く伸ばし

て天日干しにして火で焼いてみてはとのアドバイスをもらい、試してみたのが発祥だとか。ためしてガ

ッテ

ン!ってところでしょうか。

まあそんな理由から草加煎餅が全国区になり、でも市内100軒以上の煎餅屋さんがあるそうですが、

現在、手焼き煎餅を出しているのは十数軒だとか。

その手焼きが売りの五楽堂さん、創業百年以上とかで、店内には数々の賞状などが飾られていて老

舗を感じさせます。

穏やかな女将さんは、試食用にと裏の工場で焼いたばかりのお煎餅少しお持ち下さいと持たせて下さ

います。女将さんお勧めの煎餅と、好物のぬれ煎餅も少し戴き、頬張りながら草加駅を目指します。

 

11時15分草加駅着、あちこち寄り道しながら千住から歩くこと4時間半、第二回の日光てくてく旅

終了です。

2010/05/10 記

 

 

 

 

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