閏年の利用法
斎藤 勲
新旧の暦を貼り替える。近年頂きものの暦は月捲りでメモ欄が広いもが多い。
早速特別な日、誕生日が何曜かと捲ってみる。
二月二十九日が有り、閏年は一日得をしたと思える。この一日の活用法を仲間で話した。
常識ある友は、この一日がなにも寒い二月に有る必要は無いと主張した。
確定申告間近だから二月が好いと小売商店主は言う。寒い二月ではなく四月にしたら、
繋がり具合によっては超大型連休になる。九月は何をやっても結構な季節ですなあ!
それぞれ勝手なことを言う。
十一月に一日増えたことが有ったと言う。黄と黒の縦縞球団ファン御仁。
毎年スター選手のカレンダーを楽しみにしていたら、
二〇一一年の十一月に三十一日が有ったと言う。
回収訂正されたものの真に惜しいことをした。こんな珍品を逸してと、今でも悔しがっていた。
私は私で、閏年の活用を思い付くままに話した。曰く、一日儲けた。
この一日を欲しい人に譲ろうという発想だ。1%の人間に世界の富が集中していると聴く。
こういう人の中には、一日どころか一時でも生に執着する者が大勢いるはずだと踏んだ。
二〇一〇年、二五分の宇宙旅行が二〇万米ドルで、予約が殺到していると聴く。
寿命が一日買えるとしたらどんな高値がつくだろうか。
「どうやって売り捌くのだ!」と、一人だけ話しに喰いついてきた。咄嗟に答えに窮した。
アイデアを考えたんだ手段は君が考えて、と言って顰蹙を買ってしまった。
年金生活者が超高額納税者になれる。
愚にも点かないことを頭に残し、寒風に襟元立て、転ばぬ程度の並足で冷え冷えの家に帰り着く。
ガスストーブを点火すれば温風が纏わりつく。コーヒーで一息入れて落着く。
「ああ、それにつけても金の欲しさよ!」
寸評 二月はフリーに書いてもらいましたが、閏年に目を付けた着眼点がいいですね。
顰蹙を買った意見もありそうなアイデアですよ?
、
『添削は下記のとおりです。
近年→近頃
頂き物→戴き物
暦は→暦は、
も→物
多い→多く重宝している。
日→日や、
誕生日が→誕生日等が
何曜日→何曜日か
二月二十九日が有り→今年はオリンピック年ということで閏年のため、二月が一日多く、
十一月、、ファンの御仁。→そういえば、、黄と黒の、、御仁が、そういえば十一月に、、と言う。
悔しがっていた。→悔しがっている。
一時→いっ時
二〇一〇→削除
付くだろうか→点くのだろうか
売り捌くのだ→売り捌くんだ
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