街道てくてく ⑪ 石橋~宇都宮

mitake Posted in 日光街道を行く
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てくてく旅 ⑪

石橋~宇都宮

 

7月16日、梅雨明け前の関東地方はすごい暑さ。この暑さの中、日光まで残

り半分の宇都宮までできれば到達しておきたくて、Go~サインです。

 

当日の宇都宮の気温予想は35℃熱中症という言葉が頭を過ぎり、六時に家を出ま

す。早めの行動、目標は12時宇都宮着!本場宇都宮餃子を戴いて帰京、、のはずでしたが、

予定は未定とはよく言ったもので、宇都宮の一つ手前の雀宮宿までは、暑くはあったものの予

定の行程はこなしていたんです。雀宮を過ぎたところで思いがけぬ展開が待っていました。

とにかく当日のスタート地点、石橋から雀宮までをお伝えしましょうね。

 

 

 

石橋駅に降り立つと、「女子やり投げ ロンドンオリンピック出場 上三之川出身 海老原

有希選手」の垂れ幕が。オリンピックまで2週間を切り、出場選手のいる地域では、こうした垂

れ幕などが駅や町の主要な場所などに掲げられ、地元の熱い声援が送られるのでしょうね。

残念ながら私の居住区域の大井町からは、出場選手はいないようです。これも縁で、こうなったら海老原選手応援しようじゃあないですかsmiley

 

まずは予定に沿って、児山城跡を見てくることに。街道からはかなり外れてしまうんですが、犬

仲間の方の実家が児山氏と縁戚関係にあるとかで、ここは一つ見学してご報告をせねば!

 

暑い、遠い、、と文句を言いながらたどり着いた児山城址は、夏草に覆われ往時の縁を知る由

もない状態でしたが、かろうじて教育委員会の立札や石碑があることで認識できました。

 

 

これで報告ができると来た道に戻ると、畑で野菜の収穫作業をしていた初老のおばあさんが

「キュウリ持ってかねえかい}と声をかけてくれます。見るからに新鮮そうなキュウリや茄子

ピーマンなど、戴きたいのはやまやまですが、正直この先の行程と、東京までこの荷物を持ち

帰ることに躊躇を覚えて、理由を話しお断りしましたが、誰も食べなくてもったいねえからと言う

おばあさんの熱意にほだされ、持ち合わせていたポリ袋に詰めさせてもらいました。お金をとっ

てくださいと言うと、金は腐るほどあっからいいんだ!

 

 

暑い体に温か~い思いもいっぱいに、グリム童話館前を通過。石橋とグリム童話との縁は謎、、?ま、深くは探らなくても、ねcheeky

 

街道に戻るのにかなりの時間を要し、どうも今日は一筋縄ではいかない予感が、、。コンビニで

水を買い水分補給、このままいくと熱中症患者の一人になってしまいそうで、水分補給と適度

な休憩を強引に設けないと。ということで、ちょうど休憩に適した星宮神社の森がみえたところ

で一休みです。

休憩中、ちょっとした用件で姉から連絡が入り、現状を報告すると、当然のように「水分とって

ほどほどで切り上げなよ」の一言!

この先目指すは自衛隊宇都宮駐屯地で、ここにたどり着けば今日の行程で寄るところはな

く、あとは宇都宮目指して進むのみ!

 

間もなく雀宮という地点で、本日の目標地、自衛隊宇都宮駐屯地の広大な敷地が見えてきま

した。中には入れるのかしらとゲートのあたりで看板を見ていましたら、「資料館見学できます」

の文字が!せっかくの機会なので見学させてもらおうと、ゲートにいた若い隊員さんに見学の

件を確認します。

入口で氏名住所を書き込んでいると、資料館案内の隊員さんがやってきます。資料館は駐屯

地を入ってすぐのところにあり、私たち二人のために資料館を開けていただくことに恐縮する

と、ゆっくり見ていってください、この暑さですから休んで、トイレも使っていいですからと親切な

言葉をかけてくれます。

 

お言葉に甘えて腰掛で汗をぬぐっていると携帯が鳴ります。親しくしているTさんの声が飛び込

んできて、私たちの現在地を尋ねてきます。小山に実家があるTさんご夫妻なんですが、今小

山にいて、私たちが宇都宮に向かうことを知っていて、この暑さは危険だから車で宇都宮ま

行ってくれるとの申し出!ウレピー!

 

「てくてく」の意義に少しばかり外れてしまいますが、まあこんな番外もたまにはお許しください。

それに宇都宮まで駐屯地の先から車で15分以上はかかったでしょうか、歩けば一時間半は

優にかかったでしょう。あの暑さを思えば、今回ばかりは致し方なし、、。

余談になりますが、私は日本橋にある商品取引のY商事という会社に13年ほど勤めてたんで

すが、宇都宮には営業所があり、いつも電話でやりとりしていた事務員のUさんと意気投合し

ていて、何度か宇都宮近辺を案内してもらっていました。

もう三十年以上前の話ですから、宇都宮の記憶は全くなし。二荒山神社が町の中心にあった

ことなども、記憶から消えていました。改めてのお参りの後、昼時にもなってましたから、全国

的に名高くなった宇都宮餃子の人気店本店に並んで餃子を戴くことに。揚げ焼き水餃子

全種類を戴きましたが、私的には羽根つきの焼き餃子でしょうか。

 

小山へ戻るというT夫妻と共に私たちも小山からの帰途となりました。前回見逃した「思川」か

ら「天平の丘」に出て、「紫式部」の墓陵に立ち寄りましたが、グリム童話館同様、ここでもな

ぜここに紫式部の墓陵が?暑いので考えるのやめました?!

ご参考までに、百人一首の紫式部の詠をどうぞ。

「めぐり逢いて見しや それとも分かぬ間に 雲隠れにし夜半の月影」

 

2012/07/21 記