日光街道てくてく旅 ⑤

東武動物公園~幸手 6.5Km

品川区大井の自宅を午前7時前に出発。今回は浅草から東武伊勢崎線で、今日のスタート

地点東武動物公園に向かいます。

浅草発8:10の快速は汽車タイプの座席で、行き先も日光とくれば気分はすっかり旅

日光行きだけあって、周囲には中国人らしき人や欧米人など外国の方もかなりいます。何と言っても、

日光は日本が誇る世界遺産の観光スポット!

さて浅草から出た東武伊勢崎線区間快速電車は、隅田川を渡りスカイツリーの工事現場のすぐ脇

通過してスピードアップ、東武動物公園には8:50前に到着。さあ幸手へ向けて、6.5キロの道程を進

めていきましょう

前回歩いてきた古利根川に架かる古川橋を渡り、4号線日光街道一本手前の道に出ると、両側に軒

を連ねる民家はどちらも広々とした庭のあるお宅で、萩、コスモス、曼珠沙華、葉鶏頭等の

花々が、存分に枝を伸ばして咲いています。

見越しの松のお宅も散見され、どうやらこの辺りは少しばかりリッチな方たちのエリアのようです。

さらに歩を進めると左手に見えてきたのは宝性院。杉戸宿として栄えていた頃にあった寺子

だったところだとか。どうやらこのエリアは、杉戸宿の文化地域だったようです。

その中に黒塀に囲まれた旧家があり、そのお宅はご同業の小林質店さん。案内によれば

前身は脇本陣の伊勢屋さんだったとか。まさにへ~?ですね。

さてここからは4号線と合流、とたんに車の往来が激しくなり、排気ガスを吸いながら一時間ほど歩くこ

とになります。

街道の両側には、大型の回転寿司屋や焼き肉店に蕎麦うどん店などが建ち並び、昼時や夕飯時は

さぞや賑わうことだろうと想像してみます。

一方閉店に追い込まれた店舗もかなり見受けられ、街道筋の商売はなかなか大変だということが察

せられました。

そうそう、街道歩きのガイド本を持って歩いていたところ、食事処から出てきた車が私たちの横で停

り、中年男性が車から降りて近づいてきます

男性は「街道歩きされてるんですか?」と聞いてきます。今回は東武動物公園から幸手まで歩いてい

る旨伝えると、この方も街道歩きに挑戦しようと目下下見中なのだとか。しばし立ち話の後、それじゃ

あ何処かでと男性は言い残し、北に向かって車を走らせていきました。

間もなく杉戸高野台、この辺りからは東武伊勢崎線に沿って田の畦を歩いたり、ホンダ関連の事業所

地域を横目に見て歩くことに。

伊勢崎線の特急「スペーシア」も数本通過し、街道歩きの終点日光からの帰路は、絶対あの

スペーシアで帰ってこようと、そんなことを考えていると、頑張らなくちゃとちょっと奮起してみた

り、、。

日光行特急スペーシア通過

目を転じると、田の中に突如として高速道路の橋脚が四本見えてきました。近くへ行って確認すると、

圏央道の工事現場で、平成23年1月31日完成まで工事となっていましたが、さて足だけがある状況か

ら、後3か月ほどで完成などとても考えづらい状況です。

続いて見えてきたのは可愛らしい六角形の幸手市南公民館、いよいよ幸手の町です。突き当た

れば御成道、まもなく幸手駅、今回は歩行約一時間四十分、6.5キロのてくてく旅でした。

実は出がけに友人に会い、リュック姿の私たちを見て行き先を尋ねます。日光街道歩きで今日は幸手

まで行く旨伝えると、何と彼女は幸手に住んでいたとか。「桜せんべい」という店のおせんべいが美

味しいという情報ゲット!

浅草行き快速電車まで時間があり、駅から十分ほど「幸宮神社」そばの「桜せんべい」へ行って

みました。

さくら煎餅さん

女店主さんはリュック姿の私たちを見て、権現堂へ行かれたんですか?と尋ねます。こちらへ伺った

経緯を伝え、情報をくれた友人の分も買い求めます。

実は幸手には三十年来の友人が住んでいて、可愛いワンちゃんがいることもあって先年訪ねていま

す。

その折、権現堂堤の桜が見事なので、是非又桜の時期に来て下さいと言われていたんですね。

幸手の自慢はやはり権現堂堤と桜だったか!道理で桜せんべいに桜通り、それに桜小

学校?あ、これ普通でした。次回は栗橋を目指します。

2010/10/22 記

日光街道てくてく旅 ④

せんげん台~東武動物公園 8.5Km

今年の夏は、熱中症が多発する猛暑続きとなり、てくてく旅どころではありませんでし

た。35度からの暑さの中を歩いたら、きっと熱中症で倒れたことでしょう。最終目的の日光東照宮は地

球が消滅しない限り?なくなりはしないんですから。

というわけで、5月に「せんげん台」まで歩いたのを最後にしばしお休みしていたてくてく旅、さす

がに10月の声を聞き、朝夕涼しさを感じ始めるころとなったところで再開とい

きましょうか!

今回は東武野田線せんげん台から東武動物公園までの約8キロちょっとを歩く予定で、

午前6時前に品川区大井町の我が家を出発、前回の終点「せんげん台」には7時15分着。さ

あ歩き始めるとしましょう。

国道4号線日光街道は、会之堀川と平行に走っていて、その会之堀川は只今護岸工事中スス

や赤マンマといった雑草系が両岸を覆い、秋の風情たっぷり。これで工事でもしていな

ければ、芭蕉さんにあやかって一句ひねり出すところですが、、。

「武里駅」入り口標識を通り過ごすと間もなく「備後」、「備後」といえば昔でいえば広島県あたりの地

名、広島と何やら関係ありか?とそんなことを思いながら歩を進めていくと、「備後一里塚」の石碑

が。広島との関係や、由緒いわれ等の詳しい情報は、残念ながら得られませんでした。

「一ノ割駅」入口の標識が見え、さらに北上し東武野田線を潜ります。私は特に今流行りの鉄道オタ

ク、通称「鉄オク」ではありませんが、ここはやはり電車の通過を見たいと待ちましたが、、。

「日本橋から35キロ」の標柱が見えると、栃木県小山の名が道路標識に。この辺りから4号線と分

かれ粕壁宿へ向かいます。土蔵造りの民家なども見え宿場町の風情たっぷりの春日部

到着です。

現在は地名表示に「春日部」を用いるのがほとんどですが、古くは「粕壁」とも表示されたこの地。低地

帯で大水が出る度に、壁状の土砂の堆積があることから「粕壁」となったとする説があるようです。

また現在の「春日部」の表示のいわれとしては、「春日」と「部」に分かれるそうで、「春日」は大和時代

第二十一代雄略天皇のころの皇女「春日大娘」からきていて、さらに「部」は有力な人に仕えていた人

を指すそうです。どうやら「春日部」の地名表示は、皇室などに仕えていた人たちが沢山いたところか

ら由来しているようです。

8時15分を回ったところで朝食をと思っていたところへ、パンを焼くいい匂いが漂ってきました。サンドイ

ッチを買い求め、日差しがたっぷり差し込むそのパン屋の二階で、コーヒーを戴きながら出来立てサ

ドイッチを頬張ります

なんとはないサンドイッチでしたが、柔らかサンドパンに、ハムや野菜それにポテトサラダにゆで卵等

の具が程よくミックスしていて、美味でしたね~!こんな食感と出会えるのも旅の楽しみで、歩いてい

るからこそこうしたお店も見つけられる、だからてくてく旅はやめられません!

さあお腹もいっぱいになり、日本橋から数えて日光街道四番目の宿場「粕壁」に別れを告げ、ここから

古利根川沿いの道をとって今日の終着点「東武動物公園」を目指します。

雲一つない青空、両岸を埋める釣り人たち。広がる田園にコスモスや葉鶏頭が微風を

受けてひそかに揺れています。都会に暮らす私たちは、この風景に何ほどか癒されることでしょう。8

キロも歩けば相当疲れるんですが、この癒しがあるから頑張れる!

さて、ゆったりと流れる古利根川に釣り糸を垂れる釣り人たちのお目当ては鯉だとか。朝早くからご

苦労様です、皆さん。

終着近く、川べりにウナギのかば焼きの幟がはためき、気温28度の中、8キロ歩きとおしたご褒美

に、一丁奮発してウナギといきますか!

2010/10/17 記