長崎の郵便配達

一言通信

2022/08/09(火)

今日は七十七回目の長崎原爆忌。長崎は祈りに満ちた一日となっていることでしょう。原爆忌を前に、昨日、「長崎の郵便配達」というドキュメンタリー映画を、新宿の映画館で観てきました。原爆を問う社会派のドキュメンタリー映画と言うことで、お客さん来るのかしらと思っていましたが、夕方六時近い開演で六名の方が、このドキュメント映画を観ていました。私は長崎にいる心友から、長崎のいろんなところでロケしてるよと情報を貰ってたんで、公開になったら即観に行こうと思っていました。

オードリーヘップバーンとグレゴリーペックが共演した名作「ローマの休日」のモデルとなった、元英国空軍パイロットのピータータウンゼント氏が、退役後世界一周の旅の途次に立ち寄った長崎で、十六歳で郵便配達中に被爆し、背中に大やけどを負った谷口さんと出会い取材をしていきます。そうして出来上がったのが「長崎の郵便配達」というノンフィクション小説です。

タウンゼント氏の娘さんのイザベルさんが、父上の足跡を辿るためご家族と共に長崎を訪れ、多くの人と出会い町を歩き、父上が何故小説に書き表したのかを紐解いていきます。

住吉神社からの長崎港を俯瞰するシーンに圧倒されますし、精霊流しに同行するイザベルさん家族、爆心地や平和記念公園でたたずむイザベルさんの横顔は、憂いを秘め敢えて何も語りません。

長崎へは四月に訪れたばかりで、そこここが映像として映し出され、改めて感慨深く見ました。その後谷口さんは世界中に出かけ被爆を訴え続け、国連でも核廃絶を訴えます。「ノーモアヒロシマ、ノーモアナガサキ、ノーモアワー」

折しもロシアが不当な理由でウクライナに侵攻し、罪なき人々を殺戮し町を破壊し続けています。核施設にも攻撃を仕掛けるという蛮行に、怒りを通り越して悲しくさえなります。このことを許してはならないし、世界がノーと言わなければ。

郵便配達の自転車は赤です。